赤村の油須原駅が復元改装 平成筑豊鉄道

遠山武
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 平成筑豊鉄道の油須原(ゆすばる)駅(福岡県赤村)の復元改装工事が完成した。建築当時の面影がよみがえるとともに、地域交流スペースが新たに設けられた。「みんなでつくる無人駅」として、産学官で取り組んできた。

 油須原駅は、石炭輸送のため行橋―伊田(現田川伊田)間が開通した1895(明治28)年に開業。1988年にJR九州から平成筑豊鉄道に引き継がれた。現駅舎が当初からのものか、建て替えられたかは不明だが、古い地方駅舎のたたずまいを色濃く残し、映画のロケにも使われてきた。

 工事は、西日本工業大デザイン学部(北九州市)の石垣充教授(建築計画)の監修で行われた。駅舎内をかつての間取りにしたり窓の開閉を上げ下げ式に戻したりと、建築当初の姿を一部復元。観光案内などの掲示スペースや、「タブレット」など古い鉄道用具の展示室も設けた。総事業費は約580万円で、国や村などが経費を分担した。

 2月10日にあった完成式で石垣教授は、「ひなびた土地にある駅舎の素朴さが魅力」だとして、「建物に敬意を表して工事をした」。平成筑豊鉄道の河合賢一社長は「地域に愛されてきた駅舎。使い道を模索していきたい」と話した。(遠山武)

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