JR越後線に新駅 住民ら30年越し要望 2026年開業目指す

里見稔
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 JR越後線の新潟―白山駅間に新駅(新潟市中央区下所島)ができることになった。地元住民らの要望をもとに市がJR東日本と協議を続けてきたが、2月に両者が設置について正式に合意した。2026年度までの開業を目指す。

 新駅は「上所駅(仮称)」で、正式名称は住民や市の意見を聴き今後、JRが決める。駅予定地周辺には、新潟南高校や商業施設「イオンスタイル上所」、県の複合福祉施設・新潟ユニゾンプラザなどのほか住宅街がある。1日の利用者は約2300人と見込まれる。

 無人駅で、線路を挟んで上・下線のそれぞれのホーム、改札を設け、すでにある地下通路とつなぐ。地下通路から改札にはエレベーターで移動できるようバリアフリーとする。

 新潟―白山駅間は約3・1キロあり、同線の駅の平均的な間隔と比べると約2倍。県や市などが1991年に行った調査では「適正な間隔で駅が設置されておらず、新駅設置が望ましい」とされていた。その頃から住民らによる新駅設置に向けた署名活動が始まったが、その後進展はなかった。

 再び機運が高まったのは2016年、同区上所3丁目にあった旧中央卸売市場跡地にマンションや商業施設などの建設が決定。人口増による利用が見込まれることから、17年に再び住民らによる署名活動が展開。約1万7千筆を集め、市がJRに設置を要望していた。需要調査などを経て今年2月7日、市とJRが正式に合意。整備費用約27億円は請願者の市が全額負担する。

 新駅設置の正式決定を受け、中原八一市長を訪れた地元の上所校区コミュニティ協議会の浅野昌禧(まさよし)会長(75)は「30年来の悲願。地域住民にとってこの上ない大きな喜びです。この街がどう変わっていくか楽しみ」。中原市長は「新型コロナ禍での明るい話題。ご尽力いただいた皆様に感謝申し上げる」と話した。(里見稔)

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