列車乗務員らに人気、社員食堂一筋82歳店主が作るカレーが商品に

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吉住琢二
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 近畿日本鉄道が、三重県名張市平尾にある名張列車区の社員食堂で82歳の店主がつくるカレーを、レトルトの「近鉄カレー(名張編)」として発売した。社員に愛される素朴な味を多くの人に楽しんで欲しいという。14日から、インターネットなどで販売している。

 近鉄名張駅に隣接する名張列車区には列車乗務員や事務職社員ら約200人が所属。始発列車を動かす運転士らのための宿泊室や早朝から夜まで食事を出す食堂などを備える。

 1968年から続くこの食堂を、半世紀以上切り盛りする店主が山口進さんだ。焼き魚や揚げ物など多種類のメニューがあり、中でも社員に人気があるのが週に2日だけ提供するカレー。時間をかけて煮込んだ牛肉と野菜がたっぷり入り、少し辛口という。

 商品化を提案したのは営業課の福本章さん(53)。若いころから名張列車区に行くと必ず食堂を利用し、カレーのファンになった。職場ではツアーや関連グッズの企画をしているが、コロナ禍で自宅で過ごす人が増え、近鉄の利用者や鉄道ファン以外の人にも楽しんでもらえるものをと、これまで出したことのない食品販売を思いついたという。

 昨年春に企画会議で提案したところ、社内にはファンが多く、ゴーサインが出た。専門業者に製造を委託し、山口さんにつくり方を聞きながら試作を繰り返し、食堂の味を再現したレトルトカレーが完成した。パッケージには乗務員のイラストと「味は普通の美味(おい)しさ 近鉄カレー」の文字入り。福本さんは「昔懐かしい家庭の味。ほっこりした気持ちになってもらえれば」と話す。

 山口さんは20歳ごろから東…

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