房総特急お得な自由席券消える JR3月のダイヤ改定で

三嶋伸一
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 JR東日本千葉支社は3月12日のダイヤ改定で、房総地域の特急自由席が割安になる「定期券用月間料金券」などを廃止する。今改定で指定席を増やし、自由席を減らす影響のためだが、指定席料金は同料金券の約2・5倍。このためネット限定で新たな割引指定席券を発売するがなお高く、都心へ特急で通う通勤者の負担増になりそうだ。

 同支社によると、外房線は特急「わかしお」(東京―安房鴨川)、内房線は同「さざなみ」(東京―君津)、総武線は同「しおさい」(東京―銚子)が走る。東京―茂原間の「わかしお」の場合、片道運賃1340円で、これに指定席料金1480円か、自由席料金950円がかかる。

 これが定期券と一緒に使う定期券用月間料金券なら、1カ月20往復で片道自由席が555円と指定席の約4割、自由席の約6割。快速も走っているがラッシュ時は座れないことが多く、快速グリーン車料金より安い。同様に「房総料金回数券(自由席)」を使っても730円と安い。

 しかし、いずれも2月12日で販売終了し、使えるのは3月11日まで。同支社はネット限定の「えきねっと トクだ値45」で割引率を通常の35%から45%に高めた指定席を3月12日分から出しているが、東京―茂原間で810円と同料金券より約250円高い。他の路線や区間の多くでも5割弱高く、6月末までの期間限定で利用区間や席数にも制限がある。

 背景には、JRが特急の指定席を増やしていることがある。「自由席では途中駅で座れないことがある」「指定席なら車内改札も不要」などから常磐線中央線東海道線はすでに全車指定で、外房や内房線なども今改定で自由席車両が1編成1~4両減るという。

 外房線で東京へ通勤する自営業の60代男性は「若い頃は快速だったが、今は特急でないと疲れる。新型コロナで収益悪化したための値上げでもあるのでは。ネットだと毎回購入しなければならない」と話す。

 同支社は「今後もお得なチケットレス特急券を検討する」という。常磐線では7年前に全車指定になった際、県などの要望で安い「定期券用ウィークリー料金券」が生まれた。ただJRによると、最近はネット割引の方が安い場合もあるという。

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