本州最後の国鉄型特急が引退へ 山陰・山陽結ぶ「やくも」に新型投入

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鈴木智之
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 JR西日本は16日、岡山(岡山県)―米子(鳥取県)―出雲市島根県)間を結ぶ特急やくもに2024年春以降、新型電車273系を投入すると発表した。やくもは定期運行している特急車両として本州で最も古い旧国鉄時代の特急用電車381系が使われているが、24年度中にすべて273系に置き換える。新開発した車体傾斜装置を備え、カーブでの乗り心地が改善されるという。

 やくもは山陽新幹線が岡山まで延伸された1972年3月、山陽と山陰を結ぶ特急として運転を始めた。82年の伯備線電化に合わせ、現在の381系電車が投入された。

 中国山地を貫き、カーブが多い路線を高速で走るため、「自然振り子方式」と呼ばれる車体傾斜装置があるのが特色だ。現在は岡山―出雲市間220・7キロを最速2時間57分で結んでいる。

 ただ、車体の傾斜や復帰がカーブの通過と比べてやや遅くなるため、「揺れが不快」「酔いやすい」との乗客の不満が根強かった。

 273系ではJR西が鉄道総合技術研究所や川崎車両と共同開発した「車上型の制御付き自然振り子方式」を採用する。事前に仕込んだ走行地点のデータと実際に車両がとらえたカーブのデータを照合し、車体を傾けるタイミングをカーブ通過と合わせられるようになるという。

 97センチだった普通車の座…

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