グリーンピア岩沼ホテル運営者公募 小泉改革、コロナ…変転34年
石橋英昭
宮城県岩沼市の西部丘陵地にあるリゾート施設「グリーンピア岩沼」内のホテルについて、所有する岩沼市が運営事業者を公募している。04年から担ってきた阪急阪神第一ホテルグループが、コロナ禍による客激減で昨年11月末で撤退した。バブル経済期に開業して34年、変転を重ね、3代目の運営者探しになる。
ホテルは3階建てで計47部屋、日帰り入浴施設や木造ロッジ5棟もある。年間3億円ほどあった売り上げが、半分以下に落ち込んでいたという。
グリーンピアは、もとは年金の積立金を投じて旧厚生省(年金福祉事業団)が全国につくった年金保養施設の一つ。面積は177ヘクタールあり、78億円をかけ1988年に開業したが、経営は苦しかった。小泉純一郎内閣の特殊法人改革の流れで手放すことになり、曲折の末、03年に市が3億円の安値で購入。体育館やプールなどと、ホテルの運営をそれぞれ民間に委ねてきた。
2月末まで公募し、5年間は無償という破格の条件だ。建物は老朽化し、引き受け手が見つからない場合はホテル事業終了もありえるという。