札幌大雪、市民を苦しめる「雪山」とは 早朝の除雪作業に同行

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松尾一郎 戸田拓
【動画】記録的な大雪に見舞われた札幌市。市民を苦しめる「雪山」の除雪作業に同行した=戸田拓、松尾一郎撮影
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 記録的な大雪に見舞われた札幌市。6日に降り積もった雪の除雪が遅れ、JR北海道札幌駅発着の列車は7日に全て運休。市内の道路は渋滞するなど交通網は大混乱に陥った。幹線道路や鉄路の除雪は急ピッチで進むが、住宅地の生活道路には大量の雪が残されている。こうした道路では除雪後も脇に大きな「雪山」が残され、自宅や駐車場から出るのも難しい。地元でよく知られた政策課題が大雪で顕在化した形だ。住宅地で除排雪を担う民間業者に同行し、現場を歩いた。

 まだ暗い9日午前5時半、市内で一般住宅向けの除排雪作業を請け負う「エステック」の資材置き場に作業員が集まった。ホイールローダーと呼ばれる重機や4トンダンプの暖機運転をし、その日の除雪作業の予定を話し合った。予定は午前6時から午後8時まで埋まっている。

 同社の本業は建設現場の仮設足場の組み立て。冬場は建設関係の仕事が減るため、除排雪の業務を行っている。

 札幌市では、道路の除雪は原則、交通量の少ない深夜に行われる。そうした除雪の後、住宅や駐車場の前には大きな雪山ができる。エステックはこうした雪山を日中に取り除く仕事を、一般住民や駐車場のオーナーらから請け負っている。

 夏に個別契約を結び、狭い生活道路にも入りやすい4トンダンプなどを確保。雪のシーズンになると、顧客の自宅や駐車場の前にできた雪山を重機で崩してダンプに乗せて運び出し、出入りしやすくする。

 今シーズンの降雪状況について、同社代表取締役の田代祐二さん(44)は「例年にない雪の量で、多すぎて我々も困っている」と話す。

 この日最初の現場は、北区南あいの里地区の住宅街。高さ2メートルを超える雪山が至るところにでき、歩道は見えず、片側1車線の車道も幅が半分ほどだった。

 そばの公園にある公衆トイレ…

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