「刑法はいかにあるべきかを考えた」 大阪地裁・宮崎所長が就任会見

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森下裕介
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 大阪地裁の宮崎英一・新所長(63)が8日、就任会見を開き「高い司法サービスを提供し、頼りがいのある裁判所にしたい」と述べた。神戸地裁の裁判長として携わったJR宝塚線(福知山線)脱線事故をめぐる歴代3社長の刑事裁判がもっとも印象深いとし、「遺族が裁判に求めるものと、刑事裁判の使命にギャップを感じた」と振り返った。

 脱線事故を巡っては、神戸地検が歴代3社長を不起訴としたが、検察審査会の議決を経て強制起訴した。2013年9月、神戸地裁は無罪判決を言い渡した。

 宮崎氏は無罪を宣告後、「今も多くの人が苦しむ大変な事故で、誰一人刑事責任を問われないのをおかしいと思われるのはもっともです。ただ企業の責任ではなく、社長という個人の責任を追及する場合には厳格に考えないといけないので、こうなりました」と述べ、頭を下げた。最高裁で無罪判決が確定した。

 宮崎氏は、脱線事故の刑事裁…

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この記事を書いた人
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権