木次線応援企画 3月に学生ツアー試行へ 雲南市

杉山匡史
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 JR木次線の魅力を再発見し、SNSを通して発信する島根県雲南市のプロジェクトに協力する県内の大学生らが、列車の利用を促す乗車ツアーを3月に初めて計画している。駅や沿線での調査を踏まえ、「お得感のある内容にしたい」と意気込んでいる。

 プロジェクトは、市が木次線の盛り上げ方法を探るため、島根大と県立大の学生5人に協力してもらい、昨年9月から今年3月まで取り組んでいる。

 学生らは沿線住民の協力を得ながら市内7駅と松江市の2駅を巡り、地元の人だけが知る町並みや景色を見たり、飲食店などを訪れたり。その都度、「足で稼いだ情報」として写真とあわせてSNSで発信してきた。

 体験を通じて学生らが気付いたのは、出会った住民らが木次線に熱い思いを抱く一方、乗車メリットが少ないため、利用しない人が多いという現状だった。

 企画する乗車ツアーでは、住民らが乗車したくなるよう、使用済みの切符などを趣旨に賛同した沿線の店などで見せると「得するサービス」が受けられるようにしたり、「学生向け」「地元住民向け」「地元以外から」など複数のツアーを用意して乗りやすくしたりするという。

 学生たちは昨年12月18日、雲南市役所であった中間報告会で将来を見据えたアイデアとして提案。報告した島根大法文学部3年の林李奈さん(21)は、高校時代は木次線で通学していたといい、「継続できるような企画の枠組みをつくり、大学生が毎年、木次線に関わっていけるよう目指したい。多くの人に乗って、応援してほしい」と話す。

 市は学生らと実現の可否を詰めながら企画を練り、3月1~20日にツアーを実現したいという。島根、広島両県の沿線自治体などでつくる木次線利活用推進協議会とも情報を共有し、沿線全体で取り組む可能性も探る。

 木次線は、観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」の2023年度での運行終了が予定される一方、観光列車「あめつち」の乗り入れ案なども出ており、今後の行方が注目されている。(杉山匡史)

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