のどかだった郷里、取り戻すために 99歳が語る東逗子駅誕生の裏側

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織井優佳
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 4月に開業70年を迎える横須賀線・東逗子駅(神奈川県逗子市沼間1丁目)。1日の平均乗降客数が4千人ほどの静かな駅だが、駅誕生の陰には終戦直後からの地元住民の熱心な請願運動があった。その中心にいた三田村正治さん(99)が当時を振り返った。

 今は市内の高齢者施設で暮らす三田村さんは、沼間地区のお寺の子に生まれた。隣の逗子駅は1889年6月の横須賀線開業と同時にできたが、駅がない沼間を列車は通り過ぎるばかり。数キロ離れた小学校まで毎日通う三田村さんも恨めしく思ってきた。地元では停車場設置を求める請願が戦前から繰り返されたが、「時期尚早」「不景気」などと退けられてきた。

 悲願が実現に動き出したのは、終戦後に荒廃したふるさとの姿に衝撃を受けた三田村さんらが立ち上がったからだ。

 立正大学在学中に学徒出陣し…

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