「旅する図書館」出発進行 琴電琴平駅、地元高校生も協力

福家司
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 琴電琴平駅(香川県琴平町)の待合室に昨年末、本棚が置かれた。町内には公立図書館がなく、地元の団体「ことひらまちじゅう図書館」が約4年前から進めている、店舗や医院などに本棚を設置する活動「旅する図書館」の一環だ。

 今回は高松琴平電鉄、県立琴平高校と協働した。2年生5人が昨年5月から「探究」の時間を利用して本棚側面に描く絵のデザインを決めて塗装したのをはじめ、本棚の命名、どんな本を集めるかを考えるなどしてきた。

 本棚は町内の木のおもちゃ店が製作した木造の家型で高さ147センチ、幅と奥行き各45センチ。屋根には「こんぴら歌舞伎」にちなんで歌舞伎の幕、側面は町のマスコット「こんぴーくん」やことでんの電車などが描かれている。

 琴平高生や教師、町民らから集まった「私鉄全線全駅」「こんぴら狗」など、旅や琴平の歴史にちなむ本など約60冊を収蔵。貸し出し(期限なし)もする。

 開館式で、団体の嶋田貴子代表(59)は「本を手に旅に出てもらい、また戻ってきてもらえるよう、善意に基づいて運営したい」とあいさつ。プロジェクトに参加した高校生の1人、滝口凜花さん(17)は「この駅は始発駅でもあり、終着駅でもある。地元の人や観光客など、駅を利用する人に使ってもらいたい」と話した。(福家司)

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