三陸鉄道、利用戻りつつあるも5800万円の赤字見通し 今年度決算

成田認
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 第三セクター三陸鉄道岩手県宮古市)は23日、取締役会を開き、2021年度の決算が約5800万円の赤字になる見通しだと発表した。沿線自治体の少子化による通学定期収入の減少や、原油高に伴うコストの上昇などが主な要因としている。20年度の純利益は375万円の黒字だった。

 運賃収入は、定期代収入が前年度実績比5・8%減の8600万円になるとみられる一方、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せていることで、地元住民の利用が持ち直しつつあることなどに伴い、同2・5%増の2億6300万円になる見通しだ。

 支出は、原油高を背景に軽油代が値上がりし、燃料などにかかる経費が同41・8%増の7900万円に上昇するとみられるという。

 21年4~10月の乗車人員は前年同月比4・2%減の37万6852人だった。

 中村一郎社長は「コロナの影響で厳しい状況が続いているが、秋口から県内感染者はほぼゼロ。観光のお客さまは少しずつ戻ってきている。こたつ列車などの取り組みで、少しでも最終損益がゼロに近づくようにしたい」と話した。(成田認)

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