鉄道ホームドア、5年で3倍 各社の導入状況に差も  

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加茂謙吾 筒井竜平
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 線路への転落を防ぐ「ホームドア」の導入が進んでいる。首都圏と関西圏の大手鉄道17社では、5年間で設置する駅は3倍になった。ただ、国が優先的な設置を促している、利用者が多い駅の3割は未設置のまま。多額の費用がかかるうえ、車両の更新が必要な場合もあり、各社の導入状況の差が目立ってきている。

 政府は2015年、1日あたり平均10万人以上が利用する駅からホームドアを優先的に整備する方針を掲げ、補助金を出すなどして設置を後押ししてきた。今年11月には国土交通省がホームドアを含むバリアフリー施設の整備費用を運賃に上乗せできる新制度をつくることも発表。東京、大阪、名古屋の3大都市圏で最大10円の上乗せを想定しており、整備が遅れている会社は値上げに踏み切る可能性がある。開始は23年春以降の見込みだ。

 朝日新聞が首都圏と関西圏の17社にたずねたところ、1日あたり平均10万人以上が利用する優先設置の駅は、コロナ禍で利用者が激減する前の19年度末時点で279駅。このうち、今年12月8日時点でホームドアが一つでも設置されているのは7割の195駅。国が設置推進を決めた15年度末時点から約5年間で126駅増え、約3倍になった。10年度から15年度の間に増えたのが47駅だったのと比べると、設置ペースは加速している。

 ただ、すべてのホームで整備済みは148駅で、残りの47駅は一部にしかつけていない。降車専用のホームなどは転落の恐れが少なく、全てのホームに設ける必要があるわけではない。全国で「20年度までに800駅」を目標に掲げた政府も、複数のホームのうち一つでも設置すれば「整備済み」とし、目標を1年早い19年度に「達成」としている。ただ、未設置のホームで転落事故が続いているのも実情だ。

 設置率は会社により差がある。

記事後半では、大手17社それぞれのホームドア設置状況をご紹介します。

 大阪メトロ西武鉄道などは…

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