三重のローカル線、ゲーム化を打診され即決 ワンマン運転モード搭載
今年、開業90周年を迎えた三岐鉄道(三重県四日市市)の北勢線での運転を疑似体験できるシミュレーションゲームが、今月23日に発売される。線路幅が762ミリと標準軌の半分ほどのナローゲージで知られる同線の魅力にメーカーが目を付け、ゲーム化を打診、半年掛かりで完成させた。
三岐鉄道は1931年7月に運輸営業を開始。同社は90周年の今年、年間を通じて記念グッズの販売やイベントの開催などを続けてきた。
そんななか、ゲーム化の話が同社に舞い込んだのは6月ごろ。名古屋市に本社を置くゲームソフト開発会社のソニックパワードからの提案を受け、「90周年記念事業にぴったり」と即断したという。
タイトルは「鉄道にっぽん!路線たび 三岐鉄道編」で、対応機種は「ニンテンドースイッチ」。西桑名駅(桑名市)と阿下喜駅(いなべ市)間の20・4キロを結ぶ北勢線の運転を体験できる。映像は今年夏に撮った実写で、ヒマワリ畑など沿線の風景を楽しめる。
また、速度を制御するマスターコントローラーやブレーキの操作だけでなく、ドアの開閉や車内放送の再生もこなすワンマン運転モードも搭載。本物の運転士気分を味わえるという。
今月11、12日には、東員町のショッピングセンターでゲームの先行体験会を開催。参加者からは「地元のローカル線がゲームになるなんてすごい」と驚きの声があがり、順番待ちが出るほどの人気ぶりだったという。
同社の90周年記念事業は今回が最後。担当者は「年内の発売に間に合わせるため、メーカーには頑張っていただいた。全国の皆さんにゲームを楽しんでもらい、その後はぜひ本物の北勢線に乗りに来てください」と話している。
メーカー希望小売価格は7678円(税込み)。三岐鉄道本社では、6千円(同)で販売する。問い合わせは同社(059・364・2143)。