物置の秘境駅にサンタ集結 JR北海道宗谷線の糠南駅

奈良山雅俊
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 物置が駅舎というJR北海道宗谷線の秘境駅「糠南(ぬかなん)駅」(幌延町)で19日朝、全国から鉄道愛好家が集まり、クリスマスパーティーを開いた。今年で7回目。昨年はコロナ禍でオンライン開催だっただけに、「常連」たちは2年ぶりに厳しい寒さまで満喫していた。

 「糠南クリパ」は2015年、栃木県足利市職員の杉戸政徳さん(35)の呼びかけで、秘境駅を活用したまちおこしに取り組む幌延町への応援も兼ねたイベントとして始まった。参加者は初回こそ12人だったが、年々増えて2年前には80人ほどに。今回集まった約50人の多くは道外からのリピーターだ。マイナス10度を下回る寒さのなか、未明からクリパをサポートする町職員らが薪ストーブなどを準備した。

 午前7時前、上り列車が到着すると、先に下り列車で着いていた参加者たちが、サンタ帽姿で降り立つ「仲間」たちを出迎えた。差し入れの豚汁で体を温め、恒例の手作りケーキに入刀。今年のケーキには来春のダイヤ改定で廃駅となる同じ宗谷線の歌内駅(中川町)の駅舎が描かれた。最後にサンタ帽などで飾り付けた物置の駅舎前で集合写真を撮った。

 杉戸さんは「雪原の中にぽつんとある小さな駅舎。自分にとっては1人になれる場所であり、自分と向き合える場所でもある」と糠南駅の魅力を語る。「ここに集まる人たちの思いはそれぞれだが、今年も駅があり、また会えてよかった」(奈良山雅俊)

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