住民抗議の中、トンネル残土搬入開始 北海道新幹線札幌延伸で

佐藤亜季
[PR]

 北海道新幹線の札幌延伸に伴う札樽トンネル(札幌市小樽市、26・2キロ)工事で発生する残土の搬入が13日午前、札幌市手稲区の手稲山口地区で始まった。この残土は重金属が含まれる「要対策土」で、搬入への住民の反対が続いている。この日は住民が「有害残土を持ち込むな」と抗議するなか、工事を行う鉄道建設・運輸施設整備支援機構が搬入を始めた。

 要対策土はヒ素などの重金属が基準以上に含まれ、汚染対策が必要になる。札樽トンネル工事では、札幌市内で発生する掘削土230万立方メートルのうち、半分の115万立方メートルが要対策土と見込まれる。このうち約90万立方メートルが手稲山口地区に搬入される。

 札幌市と機構は6月、ごみ処分場だった市有地の手稲山口地区への搬入を決定。周辺住民の反対で着工の遅れは1年半以上に及んでいた。

 残る約25万立方メートルの残土については、受け入れ先がまだ決まっていない。機構は「地域の住民の安全や環境保全に最大限配慮しながら工事を確実に進めていきたい。残る残土の搬入先もできるだけ早く確保したい」(北海道新幹線建設局総務課)としている。(佐藤亜季)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら