事業者募集を見送る方針 歴史ある畝傍駅舎活用で橿原市

清水謙司
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 奈良県橿原市のJR畝傍駅の歴史的な駅舎の民間活用を検討していた同市は7日、条件面などから現状では事業者の応募が見込めないと判断し、事業者の募集を見送る方針を示した。JR西日本から駅舎の無償譲渡を受けることを前提に活用方法を探っていた。

 この日の市議会常任委員会で報告した。駅舎は戦前の重厚な社寺風木造建築物。皇族が使った貴賓室も残り、鉄道・歴史ファンなどに知られている。JR西は老朽化に伴い建て替えを検討していた駅舎を市に無償譲渡することを申し出ていた。

 市は民間活用で、駅舎を観光振興拠点や地域交流の場にする可能性を検討してきた。だが現状では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、賃料を安く設定しないと民間事業者の参入は見込めないなどと判断。現在の形状のまま、事業者による駅舎を活用することは断念する方針を固めた。JR西とは今後、駅の歴史やデザインを受け継いだコンパクトな駅舎の整備に向けて協議するという。(清水謙司)

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