鉄道掛け紙シリーズ28作、松阪で人気の牛肉駅弁 三重

菊地洋行
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 三重県松阪市の老舗駅弁店「新竹商店」の、弁当箱の掛け紙に鉄道写真をあしらったロングセラー「元祖特撰牛肉弁当」が人気だ。10日には、国鉄時代の1980(昭和55)年、紀勢線の三瀬谷―滝原間で撮られた写真をあしらったシリーズ第28作が発売される。

 新竹商店は1895(明治28)年、参宮鉄道松阪駅の売店として開業。看板駅弁の元祖特撰牛肉弁当は1959(昭和34)年7月、紀勢線の全線開通を記念して地元名産の牛肉をメインにつくられた駅弁で、変わらない味と人気を保ち続けている。

 社長の新竹浩子さんによると、掛け紙シリーズは紀勢線の開業50周年を記念して2010年12月、団体臨時列車用につくったのが始まり。新竹商店の駅弁や鉄道を愛する「あら竹駅弁友の会」のメンバーから鉄道写真の名場面の提供を受けて、年に数回新作を送り出してきた。

 今回は、三重県には珍しく大雪となった1980年1月、昭和時代を代表するディーゼル機関車の一つDF50が客車や貨物車などを引いて滝原駅付近を走る場面が採用された。こうした写真は、新竹社長や友の会のメンバーが話し合って決めるという。

 撮影場所は紀勢線を中心にした県内鉄道の沿線。近鉄用に特別につくった27作目を除いて、過去の掛け紙シリーズを注文することもできるという。新竹さんは28作目について「線路脇に鉄道通信の電信柱もあって、貴重な昭和の名シーンを掛け紙にできました」と話している。

 元祖特撰牛肉弁当は1500円(税込み)。松阪駅構内の「あら竹売店」や松阪駅前通り商店街の「駅弁のあら竹本店」などで販売。掛け紙シリーズ28作目は、来年1月7~20日、東京・新宿の京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に出品される予定だ。(菊地洋行)

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