寺の本堂で鉄道模型「早めのクリスマスに」 園児大はしゃぎ
中沢絢乃
大分市の流芳寺(りゅうほうじ)の本堂に2日、鉄道模型の線路が広々と敷かれ、きかんしゃトーマスやその仲間のパーシー、ぬいぐるみが乗り合わせた列車が走り回った。隣接する坂ノ市こども園の園児らが訪れ、目の前の光景に大はしゃぎした。
企画したのは、近所に住む鉄道愛好家の藤田高士(たかし)さん(68)。コロナ禍でなかなか旅行に行けない園児らのために、「ちょっと早めのクリスマスプレゼントとして楽しい時間を過ごしてもらえれば」と、私物の鉄道模型を1日がかりで組み立てた。
線路は約70畳の本堂に1・8メートル×9メートルにわたって敷かれ、延長約70メートルに及んだ。計50両の車両が並び、藤田さんが「今日は私が機関士になります。コロナが終わったら本物の鉄道に乗ってぜひ旅行に行ってね」と、手元のコントローラーを操作した。スピードを変えたりしながら運転すると、小さなクリスマスツリーやおもちゃが立ち並ぶ平野を、列車が汽笛をあげながらゆっくり駆け抜け、園児らは「トーマスの目が動いた」「パーシー速い」と大喜びで手を振っていた。
寺とクリスマスの融合に、住職の巌水(いわみず)顕道(けんどう)さん(32)は「神様も仏様も、子どもたちが笑っている姿を見てほほえんでくれるだろう」と話した。