電車内、身を守るためにできること 乗る前から始まる安全対策とは

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藤野隆晃
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 逃げ場のない電車内で犯罪に巻き込まれそうになったとき、私たちは何ができるのか。東京の京王線小田急線九州新幹線などで相次いだ事件を例に、最悪の事態を避けるためにできることを専門家に聞いた。

 乗客17人が刺されるなどして重軽傷を負った10月末の京王線の事件で、容疑者の男はリュックの中に刃物やスプレー式殺虫剤5本、オイルライター5本などを隠し持っていた。

 「鉄道は利便性がある半面、どんな人が乗り込んでくるかわからないリスクがある。刃物など危険物の持ち込みも容易にできてしまう」。危機管理に詳しい防災システム研究所の山村武彦所長は、この前提を意識することが大切だとする。

乗る前から防犯は始まる

 そうすると、気をつける点が見えてくる。

 まず、駅ホームやホームドアに記された号車番号を覚えておく。非常通報装置で車内の異常を乗務員に伝える際、いち早く現場の号車を特定できるからだ。

 乗車したら、通報装置や消火器などの設備がどこにあるか確認したい。緊急時にどのように行動するかのイメージも必要だ。

 8月に起きた小田急線の乗客刺傷事件で逮捕された30代の男は、警視庁の調べに「人が油断して逃げ場がなく、大量に人を殺せるから電車を選んだ。誰でもよかった」と話したという。過去に新幹線内で起きた殺傷事件などは「ローンウルフ(一匹おおかみ)型のテロ」が特徴だ。

犯罪に直面、まずやるべきこと

 完全には防ぎづらいが、「リスクや異常は、五感で感知することが重要。スマホに集中しすぎたり、イヤホンで音楽を聴いたりするのは、避けた方がよい」と山村さんは指摘する。異変を感じ取りやすくするために、普段利用する時間帯にどんな人が乗っているのか、把握しておくことも有用だ。

 いざ犯罪に直面したら、どう…

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