駅ホームと列車の隙間や段差、自動で小さく 車いす用、JR西が試作

鈴木智之
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 車いすの利用者が一人でも乗降できるよう、駅のホームと列車の段差や隙間を小さくする「可動スロープ」の試作機を、JR西日本などが開発した。ゆめ咲線の桜島駅(大阪市此花区)で実証実験が始まり、29日に報道公開された。

 可動スロープはホームに平らに設置されていて、列車が到着すると乗降口とホームとの距離と段差をセンサーで測る。自動的に列車側へ張り出し、スロープ状になって最大10センチまでの段差や30センチまでの隙間がある場合に対応できる。スロープができるまで、5秒もかからないという。桜島駅では約4センチの段差がなくなり、9センチの隙間は3、4センチまで小さくなったという。列車のドアが閉まると収納される。作動中に人の姿を検知すれば、安全のため一時停止する。

 これまでは列車ごとに隙間が異なるため、駅係員が板を渡して乗降を手伝うことが多かった。完成すれば、自動で段差と隙間を埋める装置として鉄道事業者で初の事例になるという。

 同社イノベーション本部の四家井(しかい)祐一主査は「雨やほこりがある環境でも動くかどうかを確認し、早ければ数年後の実用化を目指したい」と話した。(鈴木智之)

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