電車で緊急事態、乗客はドアコックを使うべきか? 鉄道会社の回答は

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小川崇 磯部征紀 江戸川夏樹
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 京王線の電車内で乗客が男に襲われ17人が重軽傷を負った事件では、乗客によって「非常用ドアコック」が操作された。車外に逃げようとするとっさの行動とみられるが、鉄道各社では安全性の観点から、基本的に乗客の判断による使用は避けて欲しいという考えが主流だ。ドアコックはどんな時に使う想定なのか。

 10月31日に発生した京王線の事件では、特急電車(10両編成)が調布駅(東京都調布市)を出発した2分後に非常通報装置が押され、その1分後に5号車のドアコックが操作された。

 京王電鉄によると、座席下などに設置されたドアコックが操作され、ドアが手動で1・6センチ以上開くと、装置が「ドアが開いている」と認識し、電車は自動的に加速できなくなる。

 今回、走行中に車外に逃げた人はいなかった。ただ、電車は緊急停車した国領駅で所定の位置より手前に約2メートルずれて停車。ドアコックの使用で加速できなくなったため、車両の位置を修正できなかった。

 乗務員がずれによって生じるホームと車両の隙間に転落する危険を考慮してドアを開けなかった結果、乗客が窓から避難する事態となり、緊急停車から避難を終えるまでに約10分かかった。停車後に別のドアコックを操作し、ドアから避難した乗客もいたとみられる。

乗客判断による使用、基本的に推奨せず

 非常用ドアコックは、国土交…

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