「安全に強い疑念」 相次ぐリニア工事事故、市民団体が中止申し入れ

磯部征紀
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 リニア中央新幹線のトンネル工事で崩落事故が相次いだ問題で、沿線住民などでつくる市民団体が9日、JR東海に対し、沿線工事の一時中止を求める申し入れを行った。事故の調査結果を住民に公開することなども求めている。

 申し入れをしたのは、沿線1都6県の住民らでつくる「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」など3団体。工事事務所に申し入れたほか、国土交通省にも文書を送付している。

 リニア工事では10月27日に瀬戸トンネル(岐阜県)で作業員2人が死傷する事故が起きたほか、今月8日にも伊那山地トンネル(長野県)で1人が負傷した。

 申入書は「各地の工事を安全に進めることに強い疑念を覚えざるをえない」と指摘した。昨年10月以降、東京都調布市の東京外郭環状道路の地下トンネルルート上で陥没や空洞が見つかった問題にも触れ、JR東海に深さ40メートル以上の大深度地下工事の中止も要請した。

 同ネットワークの天野捷一・共同代表は「直ちに工事を中断し、調査結果は途中経過も含め住民に説明してほしい。(事故が2件続いたのは)驚くべき事態だと受け止めている」と話した。(磯部征紀)

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