長年の活躍ねぎらい拍手 ことでんのレトロ電車2両がラスト運行

福家司
【動画】ことでんレトロ電車のさよならイベント=福家司撮影
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 【香川】高松琴平電鉄(ことでん)は3日、レトロ電車2両の最後の営業運転を披露する「さよならイベント」を琴平、長尾線で開いた。営業路線を走る電車(路面電車を除く)としては日本最古だった2両の引退を、多くの鉄道ファンらが惜しんだ。

 2両は3000形300号と1000形120号。いずれも1926(大正15)年の製造で、前身の琴平電鉄の開業当時から走り続けてきたオリジナル車両だ。近代化産業遺産にもなっている。

 この日は特製のヘッドマークを付け、午前中に主に長尾線、午後からは琴平線でラスト運行され、終日ほぼ満員で延べ1920人が乗車した。沿線にはカメラを構えた多くの鉄道ファンが詰めかけた。高松市の仏生山駅東側では撮影会もあり、当日配布の整理券を求める長い列ができた。

 午後6時24分、ラスト運行を終え、仏生山駅に戻ってきた電車が車庫に引き揚げると、下車したファンらからは長年の活躍をねぎらう拍手が送られていた。

 南浮佑造車掌(24)は「予想以上の混雑で、やっぱりレトロ電車が愛されていたんだと実感し、乗務していて気が引き締まった」。親子で参加した琴平線沿線の高松市太田下町、寺本みきさん(45)は「小さいときからことでんを利用しているので、乗ってみてすごく懐かしい感じがしました。今まで本当にありがとうと声をかけたい」と話していた。

 2両は引退後も当面は、仏生山車両所で作業用車両として使われる。(福家司)

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