時速100キロ、JR西が自動点検車両導入へ これまでは歩いて目視

筒井竜平
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 JR西日本は27日、線路を走りながら電柱や信号機などを点検できる専用車両を、11月から試験的に導入すると発表した。これまでは作業員が線路を歩いて目視で点検していたが、業務を効率化して収益改善を図る。鉄道業界で初めての取り組みといい、2025年度の本格導入をめざす。

 新たに導入する点検用車両は、1秒に10回撮影できるカメラを50台備える。最高時速100キロで走りながら、架線も含めて線路周辺の設備を撮影。その画像を人工知能(AI)が解析し、サビやひび割れなどの異常がないか判定する。一度に約100種類の設備を点検できるという。当面はAIが正しく判定できるかを確かめるため、作業員による目視の点検も続ける。

 同社はコロナ禍で客が激減して業績が急落。今後もコロナ前の水準までは利用は戻らないとみて、収益構造の改善を急ぐ。設備の点検は経営の重荷になっており、今回の取り組みなどで30年までに業務量を1割削減する方針だ。長谷川一明社長は27日の会見で「構造改革を進め、しっかりと利益をあげられるような会社にする」と話した。筒井竜平

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