新幹線台車の不具合、触って理解 JR東海が報道公開

鈴木智之
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 JR東海は、東海道新幹線の鳥飼車両基地大阪府摂津市)にある教育設備「S―sense(エッセンス)」を報道陣に公開した。利用は車両を支える台車の検査に関わる社員が対象で、作業ミスによる不具合や労災事故の危険性を体感できる。

 同設備は大阪台車検査車両所の一部(約180平方メートル)を使い、約100人の社員を対象に、5月から利用を始めた。同車両所では、国鉄入社世代の退職に加え、検査の基礎を学ぶ職場として若手社員が多く配属されるため、世代交代が進行。過半数が入社5年目以下となっている。不具合を扱った経験のある社員が減り、小さなミスが散発しているため、同設備を設けたという。

 同設備内には、過去にJR東海の台車で起きた重大な不具合などを再現し、そのメカニズムやルールを守る意義を、実際に触って理解できるようにしている。約300キロの車輪が落下する様子を示すなど、労災事故につながる危険も体感できる。

 同車両所の徳田直樹所長は「頭で理解することと、体感することは、特に若い社員にとって腹に落ちる度合いが違う。メリットはかなり大きい」と話した。(鈴木智之)

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