渋谷駅工事で山手線の運休過去最長に 週末の内回り池袋―大崎間

小川崇
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 JR東日本は23~24日、山手線の池袋―大崎間(内回り)を終日運休にする。渋谷駅の同線内回りホームの拡幅工事のため。工事に伴う山手線の運転見合わせとしては、同社が1987年に発足して以来、過去最長という。外回りも通常の6割程度に減らすため、同社は迂回(うかい)乗車や他社による振り替え輸送の利用を呼びかけている。

 同社によると、内回りのホームを最大約5メートル拡幅し、その分、線路も埼京線のホーム側にずらす。混雑解消や乗り換えの利便性を高めるためという。平日の混雑時間帯などを避けるため、22日の終電後から土日を挟んで実施する。電気設備の一時撤去やバラストの移動など作業が大規模で、夜間だけでは間に合わないという。

 拡幅は、2015年から続く渋谷駅の改良工事の一環。昨年は、埼京線ホームを山手線ホームの隣に移す工事が完了した。現在、山手線は内回りと外回りが別々のホームに分かれているが、最終的には一体化する。バリアフリーの拡充や東西自由通路の整備なども含めた駅全体の改良工事は、27年度までに終える予定だという。

 工事に伴い、JR東は23日の始発から24日の終電までの間、外回り(大崎―渋谷―池袋間)は通常の6割、運休にならない内回りの区間(大崎―東京―池袋間)は3割程度に減らす。また、京浜東北線の快速運転は中止し、終日各駅停車のみとなる。そのため、埼京線や湘南新宿ラインの混雑が予想される。埼京線の一部区間を増発し、貨物線の線路を利用して品川―新宿間で臨時列車を運転するなどして対応するという。

 25日始発からは、全線で通常通り運転する。

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この記事を書いた人
小川崇
長崎総局
専門・関心分野
戦争・平和
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    石合力
    (朝日新聞編集委員=国際関係、外交)
    2021年10月19日15時57分 投稿
    【視点】

    利便性を拡大する目的で、首都圏の大動脈の鉄道運行を一時止めることについての興味深い記事。日本では、運休をできるだけ避ける観点から、終電後から始発までの間に突貫工事を進めることが多い。利用者の苦情などに配慮した措置だろう。一方で、一昨年まで住

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