新車両は旧国鉄時代の急行カラー CFで資金調達も 長良川鉄道

松永佳伸
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 長良川鉄道(岐阜県関市)は来年春に2009年以来となる新型車両を導入する。外観や内装のデザインは、旧国鉄時代に越美南線を走っていた急行「おくみの号」(キハ58)風に復刻させる。新車両導入に合わせ、昭和のレトロな時代にタイムスリップできるような企画を準備していて、クラウドファンディング(CF)で鉄道ファンから資金を募る。

 新型車両の導入は、1994年度から走っている「ナガラ201号」の更新に伴うもの。新型コロナウイルスの影響もあり、定期利用客の減少に歯止めがかからないなか、通勤・通学への対応に加え、鉄道ファンにも魅力ある新車両を導入し、誘客拡大につなげるねらいがある。

 沿線住民や鉄道ファンからは昭和の越美南線を懐かしむ声も多く、ベージュに赤い帯が入った国鉄急行色だった「おくみの号」(66~82年)の外観と、長良川をイメージした青をベースにした内装を復刻させることにした。

 新車両は従来型より約1メートル長く全長は17・5メートル。ベンチ式座席で定員は10人増えて116人。車いすスペースを2カ所設ける。費用は約1億9千万円。

 CFのサイト「CAMPFIRE」で11月末まで募る。目標額は100万円。集まった資金で国鉄時代の制服の復刻、車内販売用ワゴンの製作費用などに充てることにしている。返礼品として、金額に応じて「おくみの号」グッズや限定硬券1日乗車券、出発式当日の乗車権利などがある。

 長良川鉄道は、新型車両の導入に合わせて年4回、列車の衝突を防ぐため運行管理に使う機器「タブレット(通行手形)」交換の実演のほか、ハサミを使った乗車券の改札、美濃太田駅での立ち売り駅弁の復活なども計画している。(松永佳伸)

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