JR駅の顔認識カメラ問題 報道とヤフコメの「ズレ」から見えたもの

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メディア空間考 石田博士

 9月21日朝、国内最大のニュースポータルサイト「Yahoo!ニュース」では、読売新聞の独自記事に大きな注目が集まった。

 JR東日本が7月から顔認識カメラを使って、刑務所からの出所者と仮出所者の一部を駅構内などで検知する防犯対策を実施していることが分かった――というものだ。

 読売の記事によると、検知の対象は過去にJR東の駅構内などで重大な犯罪を起こして服役した人や指名手配中の容疑者に加え、うろつくなどの不審な行動をとった人も含まれる。重大な犯罪については、逮捕時に報道された顔写真などをデータベースに登録するが、9月初旬の時点では登録者はいないという、などと報じた。

 記事は、欧州での運用に関する厳しい制限とともに、透明性確保を求め、出所後も監視することへの懸念を示す有識者のコメントが盛り込まれていた。

 朝日など各社が追っかけ取材をしていた21日午後、JR東は「社会的なコンセンサスが得られていない」として取りやめを発表した。

 ただ、Yahoo!ニュースのコメント欄(ヤフコメ)には、JR東の対策を歓迎するコメントがあふれていた。

 「そう思う順」でトップだったのは「当然でしょう。世の中が望んでいる。犯罪が起きてから対処するより、起きないように防止することが大事。マスコミは否定する意見だけをとりあげ、世の中を良くしていく気構えがない」という趣旨だった。

 ほかにも「出所後も監視され…

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