JR相模線30年ぶり新型車両 11月18日運行開始、安全性能向上

織井優佳
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 JR相模線(茅ケ崎~橋本)に投入される30年ぶりの新型車両「E131系」が、11月18日から運転を始める。各ドアの状況を確認できるカメラを設置、車内の非常通話装置を増設するなど、より安全・快適な運行が可能になる。今年度中に12編成が導入され、これまで同線を支えた205系は順次廃車予定という。

 JR東日本横浜支社国府津車両センター神奈川県小田原市高田)で22日に報道公開されたE131系は、郊外路線の汎用(はんよう)モデルとして設計され、総合車両製作所がつくるステンレス車両。車体や座席は、相模川や湘南の海をイメージした青色の濃淡で彩られた。

 乗降確認カメラは各車両の前部から四つのドア全部を視野に収め、運転席上部のモニターで確認できる。将来的なワンマン運行導入時には威力を発揮する。座席は、配列の変更で1人分の幅が25ミリ広がり、低座面化で快適性が向上。ドア上には、首都圏の通勤列車では見慣れた大型ディスプレーが付き、運行情報などが多言語で表示されるようになった。乗務員に連絡できる非常通話装置も各車両4カ所に増設された。

 12編成のうち3編成には、カーブ部でレールに自動で油をまく塗油器を備える。線路の状態をレーザーセンサーなどで監視し、保線用情報を収集する装置も2編成に設置する予定だ。

 同センターの原田好司所長は「相模線は大正10(1921)年開業から100周年、電化開始で205系が導入されてから30年の節目です。ワクチン接種が進んで、コロナ禍の閉塞(へいそく)感が少し改善しそうなこの時期に投入される新車両が、地域活性化の起爆剤になれば」と話した。(織井優佳)

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