土器スイーツ、妊産婦乗客を補助……IGRの増収策

西晃奈
[PR]

 【岩手】第三セクター「IGRいわて銀河鉄道」(盛岡市)は22日、4~7月期の輸送人員と旅客運輸収入を発表した。昨年度は過去最大の赤字を記録。その年の4~7月期と比べ、ほぼ横ばいだった。世界遺産を絡めた企画切符や妊産婦向けサービスなどユニークな増収策で、収益改善に取り組む。

 増収策としては、今年7月に一戸町の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを生かす。線路が町を通るため、県産そば粉でつくる土器のかけらの形をしたクッキーを入れたスイーツを売り出す。企画切符も販売予定だ。

 また、沿線で産科を持つ医療機関が減っていることに着目した。妊産婦が盛岡で健診しやすいように、IGRの最寄り駅から盛岡駅までの運賃、同駅から産科付近バス停までのバス代を約半額にする切符を発案。こうした工夫で乗客を増やし、収益を改善させる。同社の浅沼康揮社長は「地域が元気になるようなチャレンジをしていく」と話す。

 同社によると、今年の4~7月期の業績は昨年同期と同水準。2018年の旅客運輸収入と比べると、約3割も減った。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年からの移動や飲食の自粛が影響したとみられており、今年も厳しい状況は続いているという。(西晃奈)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら