大阪 堺駅と堺東駅間シャトルバスに代わり最新鋭車両

井石栄司
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 堺市は10日、市の東西を結ぶ新たな交通システムの基本方針(素案)を発表した。南海本線堺駅と南海高野線堺東駅を結ぶシャトルバスを、電動化などに対応した次世代都市交通(ART)に切り替える。2025年の大阪・関西万博ごろの運行開始を目指す。

 市内は南海本線や南海高野線、JR阪和線などが南北に走るが、東西を結ぶ公共交通機関は乏しく、長年の課題だった。市は次世代型路面電車(LRT)の導入を検討したこともあったが、竹山修身前市長の時代に中止。2019年の市長選で選挙公約に「東西交通網の計画に着手」と明記した永藤英機市長が当選し、市はLRTも含めた複数の交通手段を検討してきた。

 素案に盛り込んだARTは、現在のシャトルバスのように、車両がメーンストリートである大小路(おおしょうじ)筋を走るだけなので、軌道を設ける必要がない。「数字が独り歩きする」(永藤市長)として概算費用は示さなかったが、軌道が必要ない分、事業費は圧縮できる。

 新車両は、電動化で脱炭素が図れるだけでなく、自動制御や情報サービスの面で最先端技術を備え、自動運転化も視野に入れる。

 永藤市長は「民設民営」を掲げるが、新車両の導入費は国などの補助に加え、市も支援することで、運賃は「現行(220円)を超えないようにしたい」(市の担当者)としている。

 さらに、22年秋に「ららぽーと堺」が開業する美原区と、堺区中心部を結ぶバス高速輸送システム(BRT)の実証実験にも来年度乗り出す。既存の道路に優先・専用レーンを設けるなどして実験で需要を見極める。

 市は10月ごろに素案へのパブリックコメントを実施し、11月ごろに基本方針として策定する考えだ。(井石栄司)

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