新型電気式気動車、8月中旬から試運転 JR西日本
伊藤宏樹
JR西日本は、電車とディーゼルカーの仕組みをあわせ持つ新型電気式気動車「DEC(デック)700」の試運転を、8月中旬から山口県内を中心に行うと発表した。新山口駅に隣接する車両基地を拠点に、きつい勾配がある山口線などの非電化路線で安全性や加減速性能の確認、乗り心地の試験を重ねる。
DEC700は軽油を燃料にエンジンで発電し、発電した電力で走る仕組みを持つ。JR各社では東日本や北海道、九州で同様の仕組みの車両が営業運転をしているが、JR西日本は初めて技術検証を目的に1両を導入した。
県内の非電化路線では国鉄時代に導入された「キハ40・47」や製造から30年近い「キハ120」が走り続けている。
7月28日に記者会見したJR西日本の蔵原潮(うしお)・広島支社長は「すぐに車両を取り換えるかどうかはこれからの議論。試運転でいろんな知見を蓄えて新たな車両を開発するかどうか判断したい」と説明。「将来的にはバッテリーを積んで、ためた電力で走る試験もしたい」と話した。