東武電車で野菜運搬 フードロス解消に一役

西堀岳路
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 【埼玉】東武鉄道東京都墨田区)は、事前登録した企業や団体の小型コンテナなどの荷物を一般乗客も乗る電車で運ぶ有料サービスを始めた。利用者第一号はフードロス解消に取り組む都内のベンチャー企業で、埼玉県東松山市などにあるJA埼玉中央の農産物直売所で売れ残った野菜や果物を買い取り、東武池袋駅で格安で販売する。

 東武鉄道によると、新型コロナウイルスの影響で、乗客が第1四半期比で2019年度の2~3割も減ったため、持ち込み制限を超える大きさや重さの荷物も子ども運賃相当で運ぶことにした。社会貢献や地域活性化につながる企業や団体が対象という。

 初日の今月2日から利用しているのはコークッキング(東京都港区)で、飲食店などで売れ残った料理や食材と、登録した購入希望者をつなぐアプリを開発運用するなどしている。今回は東松山市と滑川町、鳩山町、嵐山町、小川町の5カ所の農産物直売所から売れ残った野菜や果物を買い取り、東武東上線で運んで、池袋駅南口改札前に東武から借りたスペースで「TABETEレスキュー直売所」を開く。

 当日朝に収穫された果物や野菜をJAの直売所よりさらに安く買うことができ、生産者にとっても引き取って捨てざるを得なかった収穫物を生かせる。東松山市にキャンパスがある大東文化大学がフードロス問題や町おこしに関心のある学生を集め、コークッキングの運搬や販売の要員としてインターンで働いてもらう。

 2日は夏野菜のキュウリ、ナス、トマトやブルーベリーなどを詰めた小型コンテナ22個が、森林公園駅で快速急行列車に積み込まれた。輸送時間は51分。コークッキング社は今後も週3日の予定で、旬の農産物を運んで販売するという。(西堀岳路)

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