長崎商、車窓から見た甲子園 選手「早く立ちたい」

三沢敦
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 5日昼、阪神電車甲子園駅に降り立った。キャリーバッグを引きずりながら球場へ。ツタの茂る球場の外周を歩いてみる。入り口には「選手権大会」と書かれた水色ののぼりがいくつも飾られ、9日の開幕に向けた準備が進んでいた。

 夏の大会取材は4度目。その時々、心に残るドラマを見てきた。長崎大会決勝を劇的な逆転で制した長崎商はどんな試合を繰り広げてくれるだろう。想像するだけで胸が高鳴る。

 一方で、これまでの大会と大きく違うのが取材の方法だ。新型コロナウイルス感染防止対策のため、PCR検査を済ませたチームとは対面での取材が禁じられた。近くにいても、電話かオンラインでしか選手らの話が聞けないのだ。

 同校によると、チームはこの日朝、全校生徒らに見送られて学校を出発。空路で大阪入りした。宿舎へ向かうバスの車窓から、甲子園球場を眺めたという。

 電話取材に応じた松井心助君(3年)は「ここで戦えるんだと思うとワクワクしてきた。早く舞台に立ちたいです」。宿舎に着くと全員で30分ほど周囲を歩いて体を動かし、西口博之監督とのミーティングに臨んだ。12日の熊本工戦を見据え、6日から練習に入る。

 熊本工は長崎大会前の練習試合で勝った相手だ。「自信を持って戦いたい。自分らしい思い切りのいいスイングで野球を楽しむつもりです」。電話の向こうで松井君は力を込めた。(三沢敦)

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