五輪向け「夜行新幹線」、終電批判とJRのジレンマ
小川崇
23日に開幕する東京五輪は、1都3県の会場が無観客の公算大となった。競技時間が夜に及ぶため、JR東日本や私鉄各社が6月末に終電繰り下げを発表したばかりだが、再度見直しを迫られることになりそうだ。宮城県で開催されるサッカー競技に向けては、東北新幹線の「夜行」も運行予定だ。観客動員をめぐっては長く調整が続き、鉄道関係者は「早く決めてほしい」と気をもんでいた。
JR東の深沢祐二社長は、6日の定例会見で「無観客となれば、深夜輸送の必要はなくなる」と話した。「私どもで判断できる問題ではない」と、組織委員会の決定に沿って対応するとしたが、「できるだけ早いほうがありがたい」とも本音を語っていた。
同社によると、ダイヤ変更は、開会式前の21日~閉会式の8月8日の間、首都圏の21路線が主な対象だ。山手線は午前2時ごろまで走り、通常の終電より60~120分ほど繰り下げる。さらに、静岡県や宮城県などの競技会場に合わせ、一部の路線での臨時便を増便。路線全体の臨時列車は約4900本、1日あたり250~300本ほど増える見通しだ。
発表された深夜輸送のなかで…