朝採れ野菜、新幹線で大宮へ 長野駅から

滝沢隆史
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 長野駅直結の駅ビルをJR東日本と運営するステーションビルMIDORI(長野市)は、長野駅から北陸新幹線長野県産の果物や野菜を大宮駅(さいたま市)へ毎日運び、同駅内の店で販売する取り組みを始めた。「朝採れ」の新鮮さを売りにする。

 MIDORIが6月、大宮駅東口2階に常設の店舗「信濃の風」をオープン。午前8時台と午後1時台の新幹線「あさま」に載せて、毎日2便、特産の桃やシャインマスカット、伝統野菜のボタンコショウなどの果物や野菜を定期輸送する。午後1時台の便では、その日の朝に採れた農産品を運び、午後3時ごろには店頭に並べる計画だ。

 6月28日に出発した第1便では、かつて車内販売の台車などを置いていた余剰スペースを活用し、その朝に採れたアンズやプラムを積み込んだ。店の担当者は「生のアンズは珍しいようで、飛ぶように売れた」。今後は店で観光や農業体験ツアーなどもPRし、「長野への誘客や移住の促進につなげたい」という。

 鉄道各社は、コロナ禍で乗客が激減している。JR東日本によると、新幹線の利用客はコロナ禍以前と比べて3割ほどに落ち込んだままだ。高速で時間に正確な新幹線や特急を使い、地方から大都市圏に生鮮品などを運んで販売する貨客混載事業は、新たな収益源として注目されている。

 JR東日本管内では、昨年10月から東北新幹線の仙台―東京間で鮮魚の定期輸送がスタート。新幹線の新函館北斗駅(北海道)や郡山駅(福島県)などからも、東京駅に鮮魚や駅弁、菓子などを運んでいる。北陸新幹線でも金沢―東京間で鮮魚を運んで都内のスーパーなどで販売しているが、毎日の定期便は長野駅が初めてという。(滝沢隆史)

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