手稲山口地区で受け入れの協定 新幹線要対策土
芳垣文子
北海道新幹線の札樽トンネルの工事で発生する要対策土について、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は24日、手稲山口地区(札幌市手稲区)で受け入れる協定を札幌市と結んだと発表した。これで要対策土の一部の受け入れ先が決まり、札幌と小樽を結ぶ札樽トンネルの星置・富丘工区では、今年秋から掘削工事が始まる見込みだ。
要対策土は重金属などが基準を超えることから対策が必要な土。札幌市内の工事で発生する掘削土230万立方メートルのうち、半分の115万立方メートルが要対策土と見込まれる。手稲山口地区ではこのうち、約90万立方メートルを受け入れるという。
場所はごみ処分場として確保した市有地で、約20万平方メートル。これまで市や同機構が住民説明会などを行い、同機構は一部を除く住民の理解が得られたと判断したとしている。
要対策土については同市厚別区の山本地区、手稲区の金山地区も候補に挙がっているが、住民の反対が強く受け入れに向けた動きは進んでいない。24日の記者会見で、同機構の竹津英二北海道新幹線建設局長は「工事は予定より約2年半遅れており、今後工期縮小に向けて検討していく。安全第一に工事を進める」などと述べた。