大阪メトロ社員の死亡、労災と認定 遺族「再発防止を」

森下裕介
[PR]

 大阪メトロ大阪市)の男性社員(当時44)が上司からパワハラを受け、昨年3月に社内で死亡しているのが見つかった問題で、大阪西労働基準監督署は男性の死亡を労災と認めた。認定は17日付。遺族の代理人弁護士らが24日に会見して明らかにした。死亡は長時間労働が原因と認めたが、パワハラは認定の理由に挙げられず、男性の長男は「父はパワハラが原因でまいってしまった。上司に謝罪してもらい、再発防止を徹底してほしい」と語った。

 遺族らによると、男性は昨年1月ごろから「仕事がきつい」と漏らすようになった。同月下旬に突然、頭髪を丸刈りにし、長男には「仕事できひんからペナルティーや」と説明。3月6日に社内で亡くなっているのが見つかった。

 遺族から申請を受けた労基署は、男性が同年1月下旬に精神疾患を発症しており、発症直前の3週間に120時間以上の時間外労働があったと認めた。

 男性の上司は、人格を否定するような暴言を繰り返したとして、停職1カ月と降格処分を受けた。大阪メトロは「二度とこのようなことを発生させないとの強い決意の下、全社員が一丸となって、徹底的な組織風土の改善、労働環境の見直しを進めていく」とのコメントを出した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権