生態系にも悪影響なら…JR東海にルート変更など求める

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 リニア中央新幹線の静岡工区をめぐり、川勝平太知事は22日、南アルプスのトンネル工事に伴い大井川の流量や生態系への悪影響が明らかになった場合、JR東海にルート変更や工事中止を求める考えを明らかにした。地元の意向なども踏まえて判断するが、知事選で戦った自民党側とも協力してこの問題にあたる意向も示した。

 4期目の当選を果たしたばかりの川勝氏は同日にあった会見で、「流量について黄色信号が赤信号に変わる直前という認識だ。(今後の国の有識者会議で)生態系でも黄色信号や赤信号が出た場合には明確に工事をするべきではないと思う」などと指摘。行動を起こす時期については「(任期の)4年もかかるはずがない。そんな遠い将来になり得ない」と述べた。

 川勝知事は、知事選の相手候補だった前国土交通副大臣の岩井茂樹氏=自民推薦=がリニアの工事中止やルート変更に言及したことにふれ、「(リニアを推進してきた)自民党にとっては公約とは違う発言だが、応援にきた閣僚も黙認してきた。自民党全体の方針だと受け止めている」と説明。「自民党と共闘して、意思決定者であるJR東海にぶつけるというのが一番いいと思っている」と述べた。

 静岡工区の問題は現在、国交省が設置した有識者会議でJR東海の対策について話し合いが進む。今年3月には水資源に関する中間報告案が示されたが、県などが求めた47項目の半分にも満たない。今後は生態系への影響などを議論する見通しで、結論までは会議が長期化する可能性がある。

 一方、赤羽一嘉・国交相は同日の閣議後会見で「事業主体であるJR東海は静岡県や地域住民の皆様に向き合い、地域の方々のご理解とご協力を得ていく必要があると考える。国交省としてはそうした努力を続けるよう、JR東海にしっかり指導して参りたい」と述べた。

 川勝氏は、20日に投開票された知事選で95万票超を獲得し、岩井氏に33万票差をつけて4期目の当選を果たした。

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