静岡知事選、川勝氏が4選 リニア着工は引き続き困難に

黒田壮吉
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 静岡県知事選は20日、投開票され、現職の川勝平太氏(72)が、前自民党参院議員の岩井茂樹氏(53)=自民推薦=を破り、4選を果たした。投票率は52・93%(前回46・44%)だった。JR東海が2027年開業をめざすリニア中央新幹線(品川―名古屋)の静岡工区に関し、川勝氏は着工を認めておらず、着工が困難な状況が続く見通しだ。

 リニア問題について、選挙戦で川勝氏はトンネル工事に伴い、県民の生活を支える大井川の水量が減少する可能性を指摘し「一度立ち止まって考えるべきだ」と主張。岩井氏は、着工は地元の理解を条件としつつ、住民やJR東海などを交えた関係者による円卓会議の設置も提案していた。

 川勝氏は立憲民主、共産、国民民主3党の県組織の支援のほか、連合静岡の推薦をうけた。3期12年の実績などを訴え事実上の与野党対決を制した。

 岩井氏は、川勝氏の県政運営をたびたび批判してきた自民県連が擁立。知事選に際して、党本部から12年ぶりに推薦を得た候補者として組織戦を展開したが、支持を広げられなかった。公明が自主投票になったことも響いた。(黒田壮吉)

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2021年6月20日21時1分 投稿
    【解説】

    知名度に勝る川勝平太知事が強さを見せつけました。自民党にとっては12年ぶりの党本部推薦で、参院議員を投入しながらの敗北。議員辞職は1カ月余り前でしたから、短期決戦はさすがにきつかったでしょう。それにしても、今年の主な選挙を振り返ると、「一強

    …続きを読む