熊本空港への鉄道 費用対効果「国の予算化目安クリア」

伊藤秀樹
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 JR豊肥線熊本空港を結ぶ空港アクセス鉄道整備計画について、熊本県蒲島郁夫知事は18日の県議会一般質問で、事業の費用対効果を示す数値が国の予算化目安を上回ったとする調査結果を公表した。

 県によると、事業で得られる効果を金額に換算し、投じる費用で割った「費用便益比」が1・0を上回った。この分析は鉄道事業の許可要件ではないが、事業の社会的意義や効率性の確認で用いられる。

 県は昨年度、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)に調査を委託。事業効果として、所要時間の短縮、二酸化炭素(CO2)の排出削減、道路混雑の緩和のほか、鉄道利用による乗り遅れリスクの軽減などが算入された。

 空港へは三里木駅(菊陽町)を起点に国道57号沿線の市街地をトンネルや高架で抜ける3ルート4案があるが、調査ではトンネル部が最も短い全長約9キロの案を基本に検討した。

 概算事業費はトンネル工法の見直しなどで昨年6月の前回調査時から24億円減って435億円。利用予測は、運賃や乗り換えに伴う負担感を細かく反映したことで前回調査の1日7500人から5千人に減った。(伊藤秀樹)

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