長崎新幹線、与党検討委に山口知事が不信感

松岡大将
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 九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)の整備方式などを議論する与党の検討委員会が26日、都内で開かれた。国土交通省に対し、フル規格整備を前提として佐賀県の財政負担軽減策などを検討するよう求めた。佐賀県の山口祥義知事はこれに先立つ同日午前、定例記者会見で、「フル規格が前提としか思えず、すごい違和感がある」と不信感を表した。

 整備方式は、リレー、フリーゲージトレイン(FGT)、スーパー特急、ミニ新幹線、フル規格の五つが検討されている。

 武雄温泉―長崎間は2022年秋、フル規格での開業が決まっている。一方、未着工区間では検討委がフル規格方式を推進するが、県は多額の財政負担や利便性の低下などを理由に反対。リレー、FGT、スーパー特急の3方式なら問題ないという立場だ。

 山口知事は検討委の対応について「何も決めていないし、手をあげていないにもかかわらず『フル規格が適当』と全く地元を無視したような結論が出ており、遺憾だ」と述べた。その上で「地元の要望と理解の下で進められるべきで県と向き合ってほしい」とし、フル規格にこだわらず国交省と話し合う「幅広い協議」を重視する方針を示した。

 県は27日、「幅広い協議」を31日にオンラインで開くと発表した。県から山下宗人・地域交流部長が、国交省から足立基成・幹線鉄道課長が出席する。協議は昨年10月以来4回目でオンライン実施は初となる。(松岡大将)

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