大阪メトロ、民営化後初の赤字 大阪市への配当ゼロに

筒井竜平
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 大阪メトロが20日発表した2021年3月期決算は、純損益が43億円の赤字(前年は271億円の黒字)だった。18年の民営化以降、初の赤字。コロナ禍で鉄道利用者が急減したことが響いた。同社株式を全て保有する大阪市への配当はゼロの見通しとした。

 鉄道の利用客数は前年比で3割減った。コロナ禍による鉄道事業の減収幅は459億円。バスや流通など鉄道以外の事業も落ち込み、全体の売上高は前年比27%減の1338億円だった。22年3月期の業績予想は「合理的な算定が困難」として公表しなかった。

 大阪市への配当総額は20年3月期が64億円、19年3月期が81億円だった。コロナ禍の収束は見通せず、河井英明社長は会見で「配当がいつ、もとの水準に戻るかは、確定的には申し上げにくい」と話した。

 昨年11月にあった大阪都構想の是非を問う住民投票大阪府・市は、同社からの配当や税収増を前提に、特別区を設置する場合の黒字財政を試算していた。筒井竜平

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