JR北、2度目の一時帰休へ コロナ乗客減で6月から

斎藤徹
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 JR北海道は、社員を一時的に休ませる「一時帰休」を、6月1日から1カ月間実施する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う鉄道利用者の急減などをふまえた措置で、1日あたり160人規模になる。一時帰休の実施は、昨年5~7月に続き2度目。

 島田修社長が19日の会見で発表した。島田社長は「北海道に緊急事態宣言が発令され、利用者減少に伴う業務量の急激な減少が見込まれる」と説明した。

 対象は、本社ビルや駅で勤務する社員や乗務員。1日あたり本社で100人、現場で60人規模を予定している。すでに実施済みの在宅勤務者らを含め、6月から、国の雇用調整助成金を得られる一時帰休に切り替え、社員の雇用維持を図る狙いだ。

 同社は昨年5~7月、1日あたり290人規模で一時帰休を実施した。今回は昨年より短期間で規模も半数程度だが、北海道に発令中の緊急事態宣言が予定通り今月31日で解除されたとしても、鉄道需要の回復には一定期間を要すると見込む。

 同社は札幌駅発の終電時刻の繰り上げなどを実施中だが、6月からは特急「北斗」「サロベツ」や快速エアポートのなどの曜日運休の拡大、観光列車「花たびそうや号」「くしろ湿原ノロッコ号」の運休などを実施する。

 4月の鉄道利用状況は、北海道新幹線が前々年比70%減、特急が同55%減、快速エアポートも同36%減と低調で、札幌駅ビルの売り上げも同32%と落ち込んでいる。5月も通学定期券の払い戻しや修学旅行のキャンセルが相次いでいるという。

 同社の2021年の3月期決算は、営業収益が前年同期比33%減で過去最低の1119億円、営業赤字は過去最悪の805億円だった。島田社長は「極めて深刻な事態だが、優先すべきは感染防止。協力できることはすべて行っていきたい」と述べた。(斎藤徹)

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