紫雲丸沈没事故から66年 児童ら生存者の話を聞く

大村治郎
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 【島根】旧国鉄連絡船紫雲丸」が瀬戸内海で沈没した事故から今年で66年。修学旅行の児童ら25人が亡くなった松江市西川津町の市立川津小学校で10日、事故の生存者の話を聞く会があり、5、6年の児童ら約200人が耳を傾けた。

 1955年5月11日午前6時56分、紫雲丸は香川県の高松港沖で貨物船と衝突して沈没。乗客・乗員844人のうち、修学旅行からの帰りだった川津小の児童や教員ら合わせて25人を含む168人が亡くなった。

 川津小では事故の教訓を後世に伝えようと、56年に記念碑を建立。月命日の毎月11日ごろに児童らが記念碑を参拝するだけでなく、児童が着衣のまま泳いだり、救命胴衣を身につけたりする講習も開いているという。

 生存者として、児童らに体験を話した紫雲丸遭難事故生存者の会事務局長の野津幸次さん(77)=松江市=は、事故当日、朝霧が深かったこと、乗っていた船が大きく傾いたこと、船から漏れ出た油の中を泳ぎ、いかだにつかまって助かったことなどを振り返り、「命を大切にしてほしい。そのために毎日の生活の中で友達と仲良くし、人のためになることを進んでしよう。私も事故を風化させないよう、体験を伝えてがんばっていきたい」と児童らに語りかけた。

 6年生の西村健(たける)君(11)は「紫雲丸事故についてさらに学びを深め、命の大切さについて考えていきたい」と話した。(大村治郎)

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