あの新幹線もここから 最大級の鉄道車両工場100年

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高橋豪
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 山口県下松(くだまつ)市にある国内最大級の鉄道車両工場日立製作所笠戸事業所が5月1日、設立から100年を迎える。蒸気機関車から初代新幹線0(ゼロ)系、最新のリニアモーターカーまで。日本の技術の粋を注ぎ込み、鉄道の歴史をつむいできた。周りには職人や関連企業が集まり、イベントも開かれる「鉄道のまち」として歩み続けている。

 笠戸事業所の元技術者、服部守成(もりしげ)さん(83)=下松市=は、新幹線の設計に約30年携わってきた。高速化や軽量化、乗り心地を追求する車両開発の最前線にいた。「車体の設計は技術革新の連続。常に最先端を追いかけてきた」と話す。

 山口県内の工業高校を卒業後、1956年に入社。64年に運行を開始した初代新幹線0系の電気設備などの配置の設計に72年から携わった。85年に運行が始まった100系以降は、車両の設計で中心的な役割を担った。

100系に雨漏りのトラブル 「設計者の勘も頼りだった」

 新幹線の詳細な設計図面が完成するまでおよそ10カ月。技術開発にはさらに約半年を要した。スーツケースに書類を詰め、会議のたび東京行きの夜行列車に乗り込んだ。1週間のうち4泊が車中だったことも。「車内の蛍光灯の下で図面の最終チェックをした。設計も体力勝負だった」と振り返る。

 100系が運行を開始した当…

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