鉄道のまちの新シンボル 直江津にレールパーク開業

高橋俊成
【動画】新潟県の鉄道発祥の地・直江津に誕生するテーマパーク「直江津D51レールパーク」。SLや旧型車両に乗って触れて楽しめる=高橋俊成撮影
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 えちごトキめき鉄道(トキ鉄)のテーマパーク「直江津D51レールパーク」が上越市の直江津駅近くに29日、開園する。蒸気機関車の体験乗車や旧型車両の展示など親子で楽しめる施設をそろえ、鉄道のまちの新たなシンボルを目指す。

 「ポーッ」という汽笛の音とともに、白煙をあげて蒸気機関車(SL)がゆっくり動き出した。

 「SLを知らない子どもたちが何を感じるか、親子でどんな会話が生まれるか楽しみだね」。トキ鉄の鳥塚亮社長はSLを前に感慨深げにうなずいた。

 135年前に新潟県内で初めて鉄路が敷かれた直江津地区。直江津駅には今も国鉄時代の車庫や転車台などが残る。その駅近くの車両基地・直江津運転センターにレールパークはある。国鉄時代から続く基地には1944年に建てられた扇形の車庫や、機関車の方向転換に使う転車台などの遺構が残されている。

 鉄道をきっかけに地域への興味を深め、世代を超えてつながれる場所をつくろうと、鳥塚社長が発案した。

 主役はD51形蒸気機関車(デゴイチ)。昨年11月、和歌山県で保存されていたデゴイチをリース契約し、直江津に運び込んだ。動力は蒸気から圧縮空気に変わったが、舞台に使うスモークでSLならではの煙を再現、往年の雰囲気を醸し出す。貨車を2両連結し、基地から直江津駅近くまで往復約500メートルを体験乗車できる。

 もう一つの目玉は、旧型車両「413系」。今年3月まで石川県のJR七尾線で使われていた国鉄時代の車両だ。国鉄急行列車に使われていたあずき色とクリーム色の塗装を再現。先頭車両が休憩所や売店になっている。このほか、トキ鉄の人気土産「線路の石の缶詰」の製作体験や手こぎトロッコの乗車など、親子で楽しめる施設を用意した。

 園長を兼務する春田啓郎営業部長は「デゴイチを目の当たりにした時の感動をぜひ親子の思い出にしてほしい。コロナ禍で暗い話題も多いが、地域に活気をもたらしたい」と話している。

 直江津駅から徒歩約3分。12月上旬まで主に土日祝日に開園。ゴールデンウィーク(29日~5月5日)は混雑を避けるため、インターネット(https://reservation.echigo-tokimeki.co.jp/別ウインドウで開きます)での予約制。すでに予約が入っており、連休後半の午後の方が比較的余裕があるという。入場料は大人1千円、子ども700円など。(高橋俊成)

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