リニア中間報告案に疑問点記す意見書 国交省に県

和田翔太
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 リニア中央新幹線の建設工事をめぐり、県は23日、国土交通省の11回目の有識者会議で示された中間報告案について、「実態を踏まえているか」などの疑問点を列挙した意見書を事務局を務める同省に送った。

 国が示した中間報告案の主なポイントでは、「実現象を正しく理解していくことを重要視した」という文言を追加。だが、工事期間中のトンネル湧水(ゆうすい)の県外流出について、報告案では「2つのモデルによる解析では、椹島付近より下流側では河川流量は維持される結果となった」との記載に止められた。

 これに対し県は、「椹島付近の流量だけで下流の流量を論じることは科学的・工学的に正確性を欠く」と反論。「下流では地下水の地表流出量が少し減ることが想定される」という現象を重要視していないと批判した。

 また、大井川流域の流況については、県は過去20年で22回水不足に悩まされていることを意見書に記載。報告案では慢性的な水不足に悩まされていることに触れられておらず、その実態が示されていないと反論した。

 会議は次回以降、中間報告案について議論される予定で、県は中間報告とりまとめにあたり、国に慎重な検討を求めたい考えだ。(和田翔太)

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