車窓にキンコン西野さんの光る絵本 苦境の三セク打開策

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東野真和
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 東日本大震災では第三セクター三陸鉄道が被災した。その後も各地で災害が相次ぎ、三セク鉄道のありかたが改めて問われた。単なる観光だけではない集客や、鉄道会社間の連携による収入確保が始まる一方、災害復旧費の新たな救済制度が整い、「交通税」を検討する動きもある。

 3月12日朝、三陸鉄道の特別車両が岩手県の釜石駅を出発した。「光る絵本展」と題したイベントで、車窓にはバックライトをあてた30枚の絵が展示された。トンネルに入ると、絵はより色鮮やかになった。

 展示したのは、お笑いコンビ・キングコング西野亮廣さんの絵本「チックタック~約束の時計台~」の挿絵だ。災害や疫病を乗り越えていくストーリーは震災やコロナ禍に重なる。車内には絵本も置いた。

 絵本展は、釜石出身の高校の同級生らが企画した。その1人で、盛岡市で塾を経営する山崎智樹さん(41)が昨夏、中村一郎社長(65)にSNSで企画を送った。資金はクラウドファンディングで300万円以上を集めた。高校生が中心になって準備し、震災伝承施設を見学する企画も盛り込み、16日までの運行で約1千人が参加した。

震災後も続く経営難

 三鉄がこうしたイベントに力…

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業